〈過食に罪悪感を持たなくても大丈夫〉
まずはじめに、「食べることに罪悪感を持たないで」とお伝えしたいと思います。過食は意志が弱いから起こるものではありません。むしろ、意思とは全く無関係なのです。過食の始まりをよく思い出してみましょう。多くの方が、ストレスなどにのる不満を晴らそうとしたのが始まりではないでしょうか。そこ不満が慢性化したことにより食生活として過食が定着してしまった。ですから、食べることに罪悪感を持ったところで過食はストップできません。多くの書籍やサイトでは、「ストレスが原因」とありますが、それは一体どういうことなのでしょうか。
〈原因は脳のセロトニン不足〉
心身ともにストレスにさらされると、脳内物質であるセロトニンの分泌が鈍くなり不足します。このセロトニン不足が過食の原因になっているです。セロトニンとは「ノルアドレナリン」「ドーパミン」と並ぶ、三大神経伝達物質のひとつ。セロトニンは、ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑え、心のバランスを整えてくれる伝達物質なのです。
しかし、日々の疲労が蓄積されすぎると、セロトニン神経が弱まりセロトニン不足となってしまいます。そして神経が不安定になり心身ともに大きなストレスを抱えることに…。そして実はこのセロトニン、食欲にも影響します。セロトニンが不足すると食べても満足が得られずに必要以上に食べてしまいます。これが過食を引き起こすこととなります。
〈セロトニンを作る材料不足〉
当たり前ですが、材料が足りなければ生成される量も減ってしまいます。セロトニンの材料となるトリプトファンや合成に必要なビタミンB6、脳内に送り込む為に必要なインスリン。朝食を抜いたり偏った食生活を続けていると、これらの栄養素が摂取できずセロトニン不足へと
繋がります。
〈無理なカロリー制限は過食を悪化させる〉
「痩せたい」ために無理なカロリー制限などしていないでしょうか?無理なカロリー制限を長く続けていると、ストレスが溜まりイライラが募ります。するとそのストレスを軽減しようとセロトニンが生成されはじめます。しかしセロトニンの素となるトリプトファンは脳内に入るためにブドウ糖が必要。そこでそのブドウ糖を取るために「米やパン、麺類などの炭水化物を摂取しろ」という命令が脳から出し始めるのです。つまり、無理なカロリー制限を続けていると常にこの状態となってしまい、過食につながるというわけです。
〈食事の内容〉
過食を防ぐためには血糖値のコントロールが重要です。食事により血糖値が一気に上がり、下がり始めた時に過食衝動が引き起こりやすくなってしまうため、それをできるだけ防ぐ必要があります。血糖値を急激に上げない低GI値の食べ物を摂取することがポイントとなります。大まかにいうと、砂糖やブドウ糖果糖液が入った飲み物やお菓子や、生成された白米・白いパンなどを減らし、野菜中心の食事をするというイメージです。これを守るだけで、食後の過食衝動が起こる可能性が低くなるはずです。
〈食事をする内容〉
とにかく「味わう」ことを大切にして食べてみましょう。「これを食べたら太るかな」「食べすぎたから吐いた方がいいかな」なんてことばかり考えていても全く満足感は得られません。
満足感を得るためには、味覚だけではなく目、鼻、口など五感をフル活動させて味わうのです。五感を使うことで他に意識を向けているものよりも満足感を得られやすいのです。「ながら食べ」では必要以上に食べてしまいます。
食事をする時に「キレイな盛り付けだな」「いい匂い」「ほのかな甘みがおいしい」と体全体で味わうことが、過食衝動を抑えることに一役買っているのです。