「アニマルウェルフェア」という言葉耳にしたことありますか?
恥ずかしながら私も最近になって耳にし理解を深めようとしています。
アニマルウェルフェアとは家畜を行動要求満足度の高い生活状態で飼育する生産システムのこと。もっと簡単に表すと愛情をもって、のびのびとストレスなく心身共に健康に飼育する方法です。平飼いの鶏や広大な大地で放牧された牛などイメージつきやすいのではないでしょうか。
今回は食べる機会の多いたまごからアニマルウェルフェアを絡め深堀していきます。
■ケージ飼い?平飼い?
まずたまごを生む鶏の飼育は日本では約95%がケージ飼いと言われています。ケージ飼いのメリットは少ない面積で大量に飼えるので大量生産が可能、土を掘ることができないので飼料以外の害虫を食べる心配がない、衛生管理や健康管理がしやすいなど。
アニマルウェルフェアの観念から見ると、窮屈な所に閉じ込めて飼育し、ケージ内でケガをしてしまわないか懸念点がみられます。
一方、自由さが感じられる平飼いは文字通り鶏を地面の上で放し飼いの状態で飼育します。自由に走り回り、餌を食べ、日光浴をするなど鶏の活動を制限せず、ストレスを与えないように飼育するので、薬に頼らない健康で丈夫な鶏に育ちます。
ただし、ある程度の土地の広さが必要であったり、鶏の健康管理がしにくく、生産量が左右されるデメリットもあります。また、過密状態の平飼いだと自由に動き回れないのでケージ飼いと変わらないので土地の確保はとても重要です。
■無精卵?有精卵?
一般のスーパーで出回っているたまごの多くは無精卵です。無精卵とは受精していないたまご。どうして無精卵になるかというと鶏はメスだけでもたまごを生むからです。つまりケージ飼いのほとんどはメスの鶏です。
有精卵とはオスもメスも一緒に飼育し、受精しているたまご。生き物の在り方を考えるとオスもメスも同じ空間で育てた方が、自然ではないでしょうか。有精卵の表示基準はメス100羽に対しオス5羽の割合で自然交配が可能な飼育環境とあります。動物ですので受精確率は100%ではありませんが、オスとメスを放し飼い状態で飼育する平飼い卵はほぼ有精卵と言えるのではないでしょうか。
栄養学的には有精卵も無精卵も変わりませんが、生命が宿る有精卵を好まれる傾向はあります。
■なにを食べるの?
こんなニュース聞いたことありませんか?「たまごは96%国内生産なのに食料自給率10%」
とうもろこしや大豆などの飼料を輸入に頼っているためこのような数値が報告されています。
家畜の飼料には遺伝子組み換え作物を使用しても表示や公開の義務はありません。
また、黄身の色は飼料の餌に由来するといわれています。黄身はカロテノイドの色素のため、とうもろこしやパプリカなどの配合が多いと黄味が強くなり、米の飼料が多いと白味が強くなります。
実は色が濃いから濃厚でおいしいというわけではありません。
鶏の健康や日本の食料自給率UPのため、国産原料で育てられた飼料で育った鶏のたまご選んでみたいですね。
オーガニックに関わる仕事をしている私の感覚ですが、高くても平飼いたまごを選択する方が増えてきているように感じます。平飼いではありませんが飼料が遺伝子組み換え不使用など、できる範囲で選択をしたり。また養鶏の現状を知り、プラントベースの食生活を目指されている方も。いろいろな考え方があっていいと思います。
このコラムや日々の中で何か気づきのきっかけとなれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本日もよい一日でありますように。
【プロフィール】
♪名前 中島 美津子
♪職業 会社員
♪保有資格 管理栄養士、インナービューティープランナー
♪インスタグラム _325han_
♪得意ジャンル おうちごはん
♪趣味 食べ歩き、読書