こんにちは、久々のIBPコラムとなりました。
以前、IBPコラムで「自分の事を知る為に」に執筆しましたが、自分の事が全く分からないという方がいるかも知れません。そもそも価値観とは何かという事を今回は更に深く掘り下げてお話しします。
⑴価値観について
広辞苑によると、
「何に価値を認めるかという考え方。善悪・好悪などの価値を判断する時、その根幹を成す物事の見方。」
と書かれています。
自分の価値観をどれだけ深く理解出来ているかで、勉強や仕事の成果や幸福感が大きく変わってきます。
・周りから評価はされているけど、なぜか満たされない
・努力しているのになかなか成果が出ない
・訳もなく毎日がつまらない、人生が楽しくない
そんな思いを抱えている人には、価値観の糸口があるかも知れません。
①価値観とは、自分らしさを最も象徴するもの
シェイクスピアの代表作品『ハムレット』で、
ハムレット王は『Life is series of choices.(人生は選択の連続である)』
といいます。
些細な事から人生を左右する大きな事まで、私たちは日々の思考や行動において、選択を繰り返す事で生きています。そして、この選択を判断基準となっているのが「価値観」です。自覚はなくとも、あなたの人生を形作っているのは紛れもなく価値観であり、価値観とは自分らしさを最も象徴するものといえます。
②価値観とは、自分の最大の強み
自分の価値観に沿った生き方が出来ると、やる気の湧き水の如く溢れ出て、傍から見れば苦痛にしか見えないことも苦でなくなり、むしろ楽しい、そんな境地に立つことが出来ます。
例えば、先生はみんなの前で教える事に大きな喜びを感じるはずですが、人前に立つのが苦手な人にとっては、そんな経験、いくらお金を積まれたとしてもお断りでしょう。
しかし、先生にとって、それは最高に幸せな瞬間です。彼らにはみんなの前で教え、自己表現をしたいという価値観が元々あって、それに従っているからこそ大きな喜びを感じられるのです。
価値観に沿った行動が出来た時、人生は最大のパフォーマンス(=強み)を発揮出来ます。だからこそ、自分の価値観を正しく認識し、価値観に合ったフィールドを選ぶことは極めて重要になってきます。
③価値観とは、幸せの源泉
先ほどの先生の例を通しても分かる通り、自分の価値観に沿って生きる事で、幸せを感じる生き方が出来るようになります。
苦を苦と思わず楽しんで行動できる、こんな状態なら当然成果も上がりますし、好きな事に没頭しているので、その過程さえも楽しめるわけで、まさに幸せの一言です。
逆に他人の価値観に生きていると大変苦しくなります。
・大手企業に就職したものの、本当にやりたかった仕事とは程遠い事をしている
・親の期待に応える為に、自分が受けたい大学や専門学校を諦め、進学校で勉強漬けの日々を送っている
・インスタ映えの為に好きでもない場所にいたり、食べ物や飲み物をアップしたりする
ことの大小や事情はそれぞれにあるにせよ、他人の価値観の上で生きるのが不自由ですし苦しいものです。お金・時間・エネルギー、全ては有限です。
是非、自分にとって本当に大切な事、心から幸せを感じられるものに投資しましょう。
⑵現代人は自分の価値観を見失いがち
価値観は自分の内側から湧き上がってくるものなので、価値観を知るには自分との対話が必須です。
ところが、現代の生活はWeb、SNS、TVなど、他人の発言の情報洪水の中を必死にかき分けて泳ぐようなもので、なかなか自分に目を向ける機会がありません。更に、広告をはじめ、送られてくる情報はあなたの興味を巧妙に刺激してくるので、ぼんやりしているとどんどん時間を奪われます。
自分を振り返る機会が全く与えられないまま、気づけば他人発言の情報に振り回されて、なんだか生きづらい…。
これが高度にITが発達した現代社会の罠といえるでしょう。
⑶どうやって自分の価値観を見つけるのか?
では、どうすれば他人発言の情報に惑わされず自分の価値観に基づいて行動できるのでしょうか?
そのポイントをひとつあげるなら、出来るだけshouldやmustではなくwantを優先するということです。
これは、子供のように考えると言い換えてもいいかも知れません。子供を見ていると、本当に自分の想いに正直です。嫌な事には見向きもせず、好きな事にはとことん熱中します。しかし大人になると、好きな事ばかりやるわけにはいきません。やりたくないけど、やらなければならない仕事だって出てきます。要するにwantよりshouldやmustを優先させるわけです。これは、これで生きる上で必要な事ですが、shouldだらけの日々を過ごすと自分が本当にやりたいことは何なのか、何にワクワクするのかすら分からなくなってきます。
「お金も時間も自由に使っていいから、好きな事してもいいよ」と言われて戸惑う自分がいたら黄色信号です。
まずは、心の声に素直に従って、やりたいと思えることを1つでも多くやってみましょう!
⑷日常の中で価値観の精度を上げる仕組み
更に、日々の生活の中に、定期的に価値観を意識できるような仕組みを組み込めるといいでしょう。
冒頭で述べた通り、どんな人も必ず価値観を持っており、それは意識するしないに関わらずあなたの思考と行動パターンの随所に現れます。
だから、
Plan:価値観を言葉にする
→Do:価値観を意識して計画・行動してみる
→Check:価値観を振り返る
→Action:価値観を見直す
このプロセスを定期的に回せば、日常生活の中で自然と価値観の精度が上がってきます。
価値観を言葉にするのは意外と難しく、しっくりくる言葉がなかなか浮かばないという人もいるかもしれませんが、日常生活と連動させることで言葉の精度は自然と上がってきます。最初は、ありきたりな言葉だったとしても、徐々にあなたらしいオリジナルの表現になるはずです。
⑸まとめ
価値観の意味をおさらいすると、
・自分らしさを最も象徴するもの
・自分の最大の強み
・幸せの源泉
です。
これらを一言で表すのは難しいですが、
「価値観とは、自分にしかない人生を自分らしく生きるためののコンパス」
と理解しています。
そのコンパスが手元にあれば、自分の力を最大限発揮し、幸せを感じられる適切な方向へ進むことが出来ます。逆にコンパスがなければ、進むべき道を他人に誘導され、気づけば望まない場所へ向かっていたなんてことになりかねません。まさに冒頭で述べた通り、自分の価値観をどれだけ深く理解できているかで、勉強や仕事の成果ひいては人生における幸福感が大きく変わっているということです。
是非、あなたらしい価値観を見つけて、人生を楽しんでください!