『新型コロナウイルスとココナッツオイル』
新型コロナウイルスの感染者が世界中で増え続ける中、先週フィリピンのアテネオ大学名誉教授のファ
ビアンアントニオデイリット博士とアルツハイマー研究で有名なアメリカのメアリーニューポート医学
博士が、コロナウイルスに対するココナッツオイルの可能性を大学のウェブサイトに掲載しました。
原文はこちらです
http://ateneo.edu/ls/sose/sose/news/research/potential-coconut-oil-and-its-derivatives-effective-and-safeantiviral
ココナッツオイルは約50%がラウリン酸(C12:0)という脂肪酸です。植物油に含まれる脂肪酸は、グリ
セロールに3本の脂肪酸が結合したトリグリセリド (トリアシルグリセロール)という形で存在します。
トリグリセリド は体内のリパーゼという酵素によって分解されるのですが、分解されると一部がモノラ
ウリン(モノラウリン酸グリセロール)になります。
このモノラウリンは以前から抗ウイルス作用があることが数々の研究で明らかになっていて、今回のア
テネオ大学での発表も、ラウリン酸およびモノラウリンに関するものでした。
ラウリン酸やモノラウリン、ラウリル硫酸ナトリウムは以前から抗ウイルス活性を持つことが知られて
おり、そのメカニズムとして以下の3つが考えられるとしています。
1、ウイルス膜の崩壊
2、ウイルスの成熟を阻害
3、ウイルスタンパク質の宿主細胞膜への結合阻害
ウイルスはその構造の違いにより、エンベロープ(脂質膜)のあるウイルス(エンベロープウイルス)と、
エンベロープのないウイルス(ノンエンベロープウイルス)に分けられます。
コロナウイルスは、脂質二重層の膜を持つエンベロープウイルスです。
ウイルス感染は、まず宿主細胞の表面にウイルスが吸着することで始まります。ウイルスが細胞に接触
すると、ウイルスのエンベロープ膜の表面にあるタンパク質を介して宿主の細胞に吸着します。そして
エンベロープ膜と宿主の細胞膜を融合させて、そこから細胞内に入り込み増殖します。
先述のラウリン酸やモノラウリンによる抗ウイルス作用は、コロナウイルスと同じエンベロープウイル
スであるHIVやフニンウイルス(アルゼンチン出血熱の原因ウイルス)での研究結果であり、いずれもウ
イルスのエンベロープ膜を分解することでウイルスを不活性化させたり、ウイルスのエンベロープ膜上
のタンパク質へ作用してエンベロープ膜と細胞膜の融合を阻止することで抗ウイルス作用を発揮してい
ます。
アテネオ大学のウェブサイトにはHIV感染者に対する臨床研究において、患者にココナッツオイルを毎
日45mlとモノラウリン800mgを6ヶ月間摂取させたところ、被験者15名のうち死亡が1名、11名は
CD4・CD8リンパ球(通常HIV感染で減少する免疫細胞)の数が高値に保たれていたことをあげています。
これは恐らく上記のメカニズムによるものと考えられます。
今回のコロナウイルスにHIVの処方薬が有効だったことから考えると、ココナッツオイルやモノラウリ
ンのサプリメントも効果を発揮する可能性はあると思います。
今世界各国でコロナウイルスの薬剤を作る研究がされていますが、出来るのはまだまだ時間がかかると
言われています。
マスクも品切れで(マスクでは予防出来ないとも言われていますが)、毎日新たな感染者が増え続けてい
る中で不安になる方も多いようです。
こういう時は、何か少しでも可能性のあることで、特に副作用のないことはやってみると良いかと思い
ます。
一大ブームとなったココナッツオイルですが、流行った時に買ったけど使いきれなくてしまいっぱなし
というお話をよく聞きます。
もしご自宅にココナッツオイルがあったら、これを機にもう一度お料理に使ってみてください。