『ぶらりカフェ紀行〜今月の逸品〜』
皆様初めまして、こんにちは。
29期の食いしん坊、身長154cm小さなフードファイター菅野友美です。
私は、学生の頃からご飯が大好き、食べることが大好き、そしてカフェを回ることが大好きです。
最近ではちょっと歩けば至る所にお洒落なカフェがあり、お茶をする場所に困ることがなくなりましたよね。
私はその中でも異様に惹かれるのが、昔からあるレトロな純喫茶です。
スペシャルティーコーヒーチェーン店のように決して一杯が気軽なお値段ではありませんが、ドアやテーブル一つにとっても、シミがついた壁でさえも、お店全てにオーナーの長年のこだわりがぎっしりと詰まっている気がしますし、あの落ち着いたクールな重厚感にどことなく落ち着きを覚えます。そして、すぐに飲み干してしまいそうな小さな珈琲カップに、丁寧に丁寧に口を運ぶ仕草さえも、また非日常にいざなってくれる瞬間であります。
さて、そんな素敵な空間で皆様はどのようにお過ごしですか?
友人とゆったりお茶の時間を嗜む、手帳と睨めっこして日々の自分と向き合う、読書に集中する、または仕事の打ち合わせや勉強、他にはちょっと一服、ということもあるでしょう。用途は様々です。
そんなことを考えている矢先、それを彷彿させるかのような非常に興味深い本に出会いました。
そこで、せっかく日頃から沢山巡っている喫茶店ですので、おすすめしたいお店と、その店一番人気の『逸品』と私の『逸品』を合わせてご紹介させていただこうと思います。
今回訪れたのは、普段私が身を置く銀座にある老舗の喫茶店です。
「トリコロール銀座本店」。銀座の街の中心部、賑やかな四丁目交差点を一歩中に入ると、石造りの洋装な建物が静かに佇んでいる様子が目に飛び込んできます。昭和11年(1936年)、珈琲の普及を目的に木村コーヒー店(現 キーコーヒー株式会社)の店主が創業されたお店の二代目店舗となります。
創業以来、中米産の高品質なコーヒー豆を、ネルを使用したハンドドリップで注文が入ってから丁寧に抽出されています。
今は珍しい一階は喫煙席、螺旋階段を上がって二階は禁煙席となっています。
階段にも年代物のオブジェが飾られてあり、一歩上がるたびに次に出くわす空間への期待が高まります。
そして階段を上がりきったそこにあったのは、まるでこの現代社会の都会のど真ん中にいるのを忘れてしまうかのような、過去にタイムトリップしたような、天井から降り注ぐ太陽光が眩しい気品高いヨーロピアン調な世界観でした。
オーダーしてみたのは、トリコロール一番人気のアップルパイ。りんごの皮を手作業で剥ぐなど全て店内で手作りされたこだわりの逸品です。
きめ細やかな生クリームとの相性も抜群です。
ここで共に過ごしたい逸品の本はこちら、齋藤孝さんの『15分あれば喫茶店に入りなさい』です。
まさに、喫茶店でどのように過ごすか、著者ならではのオススメの活用方法と「喫茶店タクティス」なるものが細かく具合的に理路整然と書かれてあります。
喫茶店というのは、「アイデアの生産の場」として最適な場所だそうです。
家だとテレビやインターネットがあるおかげで、考えを垂直に掘り進めるということから横に横にどんどんスライドしてずれていってしまい、あっという間に時間が経ってしまうのに対し、半ば公共的な喫茶店は、過去も未来も捨て、現在やるべきことに集中することが自然とできてしまう場所なんだそうです。
また、全日本コーヒー協会と杏林大学医学部 古賀良彦教授の実験供述によると、コーヒ豆によってカフェインの成分でリラックス効果が高まるものと、集中力が高まるものがあるのだということです。
確かに、喫茶店に入った瞬間のあのふわっとした香りが、何とも言えないくらい癒しの効果をくれるのは皆様も既に体感済みですよね。
ストレスに満ちた現代社会では、香りはその処方箋としても効果を発揮します。また、ストレスから逃れるのに最も良い方法は「一瞬ほかのことに夢中になる」ことなんだそうです。
日々のお食事を整えると共に、香り高いコーヒーを片手に、どうぞあなただけの素敵な時間をお過ごしください。
よかったらトリコロール銀座本店にも訪れてみてくださいね。
きっとその扉の先には、もう一人の新しいあなたが出迎えてくれることでしょう。