おはようございます。インナービューティープランナーの右田和美です。本日は前回に引
き続き、「手づかみ食べ」についてです。手づかみ食べの準備過程、手づかみ食べが始ま
るまでの発達について紹介します。
手づかみ食べへの発達過程
【4カ月頃】
おもちゃに手を伸ばそうとし始める時期です。おもちゃに関わろうという意識を感じるよ
うになります。物に手を伸ばして取ろうとする第一段階です。
【5カ月頃】
目で見たおもちゃに手を伸ばして取ろうとします。外のものにつながっていきたいという
意欲が溢れ始めます。手でおもちゃをつかみ、舐めるようになり、感覚や運動の協調性が
生れてきます。また、大人が「あーん」と口を開けると、それを見て赤ちゃんも口を開け
たりと、まねっこのようなしぐさがみられるようになります。外の世界がすこし分かって
きています。味覚がしっかりしてくるので、離乳食を開始し、母乳やミルク以外の味を体
験させてあげましょう。
【離乳食を始める際の注意点】
飲み込みや咀嚼の力は、赤ちゃんの運動機能の発達と大きく関連しています。赤ちゃんを
うつ伏せにした時、飛行機の姿勢になっている場合、まだ肘や手のひらで上半身を支えて
頭を高く持ち上げることができていません。この姿勢になるときは、飲み込む力がまだ弱
く、液体状のものでも口に入れると、一部が肺に入ってせき込んでしまいます。この段階
では、離乳食の開始にはまだ早いでしょう。肘や手の平を床について頭を高く上げられる
ようになると、離乳食を飲み込めるようになります。
【6カ月頃】
うつ伏せになり、片腕で上半身を支えて他方の手を伸ばし、前方のおもちゃを取るように
なります。後半になると、おもちゃを追って腹ばいで回旋するようになります。
【7か月頃】
ずりばいが始まると、口に入った物が溢れ出ることは少なくなり、舌を使って食べること
ができるようになります。這う運動が活発になってくる頃には、少し硬めのものも食べら
れるようになります。また、器に手を出すようになり、器に手をいれてぐちゃぐちゃとし
ます。まだ手のひらでつかもうとするため、小さいものはうまくつかむことができません
。お母さんは避けたくなるかもしれませんが、このぐちゃぐちゃも、手指の感覚や巧緻性
を広げていく上では大切なことです。柔らかく煮た野菜をスティック状にして持たせてあ
げましょう。ずりばいができるようになった子だと、歯茎を使ってかじることができます
。少しずつ手づかみ食べに移行していきましょう。まだ、時期は器と中身が分離しておら
ず、野菜とお皿はまだひとつだと認識しています。運動量も増えると同時に食べる量も増
えてきます。
【8カ月~9カ月頃】
社会性や判断力の芽が育ってきます。身の回りの社会的な状況を捉えることが出来るよう
になります。器の中の野菜にしっかり意識が向いて、野菜をつかみ始めます。しかし、手
の使い方がまだ下手なので、口のまわりに野菜を押し付けるような食べ方になります。手
でつかんだ食材の半分以上は口に入らず落ちてしまいます。まだ手と口を協調させて食べ
ることはできません。落ちることを計算して準備しましょう。これから自分の手で自信を
もって食べることができるようになるためには、この時期を経験することが大切です。上
手に食べれなくても、こうした食べ方を通して、食べ物と口の位置関係や距離感、手の巧
緻性、触覚などを育てて、広げていくのです。8カ月~9カ月頃は、手づかみ食べの準備
段階です。十分に食べ物に触れ、つかんで食べる機会をつくってあげましょう。お母さん
が食べさせてくれるものとなってしまうと、自分でやるという自我の発達を抑えてしまう
ことになります。
【10カ月頃】
順調に自我が育つと、自分でやりたいが強まってきます。スプーンで食べさせようとする
と、口を閉じて顔をスプーンから背けるようになります。
【手づかみ食べにハイハイは大事!】
ずりばいができるようになると、顎の上下運動、噛むことができるようになり、野菜ステ
ィックを歯茎で噛み取ることができるようになります。ハイハイになると、持続的な上下
運動ができるようになります。ハイハイをして、顔の周りの筋肉を強めていくので、たく
さんハイハイをさせてあげましょう。
手づかみ食べにはさまざまな発達のプロセスが必要です。発達には個人差がありますので
、月齢を見るのではなく、赤ちゃんは今なにができるのか、どのような様子なのか、その
子の発達にあわせて手づかみ食べに挑戦してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。