口角炎の原因は胃のうるおい不足!
矢野ちかこ
口の端がピッと切れる口角炎。
私は、3年くらい前までこの口角炎がしょっちゅう出来てとても悩んでいました。
この口角炎の原因は「胃が熱を持つ」と口角が切れるという中医学の考え方があります。
この中医学では、口の周辺は消化器系と関わりが深いと考えられています。
胃腸が弱まると、胃が「熱」を生じ、その熱が口元を乾かして口角が切れて口角炎となる。
これが中医学の考える口角炎の原因です。
では、胃腸がどういう状態になると胃が熱を持つのでしょうか。
西洋医学で一般に口角炎の原因と言われることを、中医学の観点からみていくとその原因、そしてどのようにして改善していくのかなどがわかりやすかったのでここで説明します。(※中医学とは、数千年の歴史がある中国の伝統医学で、人の持つ生命力を重視し、病気として表面に現れる前にバランスを整えて予防するのが特徴。)
まず、西洋医学では口角炎の原因は、
・ストレス・睡眠不足
・食べ過ぎなどによる胃の不調
・乾燥や唾液かぶれなどの肌荒れ
・食生活の偏りからくるビタミンB不足
と考えられていますが、これらの原因を中医学から見ると次のような説明となります。
・ストレスや睡眠不足による免疫力の低下
ストレスや睡眠不足は、中医学では体の水分不足を招くと考えられています。
そしてもちろん、胃の粘膜からもうるおいが奪われて熱を生じて口角炎の原因になります。
・食べ過ぎなどによる胃の不調
食欲があって食べ過ぎた時も胃腸に滞りができて、胃に熱がたまると考えられています。
辛いもの、味付けの濃いもの、脂っこいものを食べて胸焼けが起こった状態も食べ過ぎと同じく胃に熱がたまっている状態と考えられます。
また、口角炎や口内炎といったトラブルの他に、口臭がする、歯茎がはれるというときも同じ原因が考えられています。
しかし、中医学では、唇の乾燥自体、すでに胃の調子が悪いために熱が口元にあらわれている状態と考えられています。つまり、口角炎も唇の乾燥や肌荒れも原因は同じ、という考えになります。
・食生活の隔たりからくるビタミンB不足
中医学では、口角炎になる・ならないは、体質として胃腸が弱いかどうかを重視します。体質的に胃腸が弱ければ、偏食をしていなくても、胃腸からの栄養吸収が悪くなり「気」が不足します。そうなると口角炎といったトラブルがあらわれると考えられます。
実は口角炎でよく悩まされていた頃、口角炎がなくても唇のかさつきや皮むけに悩まされていました。その頃はそれまでなかった吹き出物にも悩まされていた頃。食事の摂り方については暴飲暴食・偏食など問題がありましたので、胃が常に熱を持っている状態だったのかと思います。
・胃が潤うと、口角炎も治る
胃が水分不足となって潤いがなくなり、その熱が口元に上がってきて口角炎が引き起こるというのが中医学の考え方です。つまり、口角炎を治すためには、胃を休めることで胃から熱をとり、胃にうるおいを戻せば良いということになります。
そのためには、胃腸に負担のかからない消化の良いものを食べることが第一優先です。
・胃にうるおいをもたらす食べ物
ゴボウ、ニンジン、白菜、山芋、レンコン、チンゲン菜、ほうれん草
この秋冬に旬を迎える野菜が多いのも嬉しいところ。
こうした食材を使った食事をお腹いっぱい食べるのではなく、腹八分目の量をよく噛んで食べるようにしましょう。また、食事をとる時間も夜遅くならないようにリズムを整え、食後はゆっくりとリラックスすることも効果的です。
そして、睡眠を十分にとること、疲れをためない、ストレスをためない事も心がけること。この3つは、口角炎に限らず健康な生活を送るために必要不可欠です。