みなさん、おはようございます。インナービューティープランナーの右田和美です。みなさんは、「抱き癖がつく」という言葉を聞いたことがありますか?赤ちゃんを接するときは必要以上にスキンシップをとることは避けるべきなのでしょうか。

まず、スキンシップを控えるべきという触れない育児法についてです。文明が急激に発達したころ、近代化、合理化を目指すことで人と人、親子の触れ合いが薄らいでいきました。それまでの温かい愛情をかけることや、いつもそばにいて触れることは非合理的だとして否定されるようになり、20世紀に入りアメリカで子どもに触れない育児法が推奨されました。「子どもに抱っこやキスをしないこと。あなたの膝に座らせないこと。もしどうしてもキスする必要があるなら、おやすみ前に一度だけキスしても良いでしょう。

でも、朝になって、おはようと言うときは握手にしなさい」。子どもを機械やロボットのように扱い、両親は子どもに対して情緒的なものは与えるべきではなく、理性的判断に基づいて接するべきである、と主張されました。赤ちゃんが泣いてミルクを求めても、決められた時間になるまでは部屋のドアを閉めたまま放置する、このような触れない育児法で育った子どもは、心が最も成長する時期に触れられなかったことにより、心の問題に深く関わってくる可能性がでてきます。不安や抑うつが強く、他人と良好な人間関係を築けない、感受性が乏しく、周囲のことに関心を持てない、成長してからも多くの問題を起こすようになると心理学者により指摘されています。かつての日本は、母子密着型の育児法でした。しかし、明治から戦後にかけて欧米から入ってきた育児法によってこの母子密着型育児法が否定され、赤ちゃんが泣いても簡単に抱いてはいけない、放置しておくことで自立を促すという触れない育児法に代わっていきました。このことにより「抱き癖がつく」という考えができ、言われるようになったのだと思います。

米国の発達心理学者が行ったある研究があります。母親が子どもが求めることにすぐに反応してきた母子関係では、子どもは母親が自分の求めることにすぐに反応してくれることがわかっており、母親が視界から消えたとしてもまたすぐに戻ってきてくれると確信しているため不安になりません。この影響は子どもが成人してからも続き、「他人と親しくなるのはたやすく、他人に頼ったり他人に頼られたりするのが好きだ。」と対人関係にも現れてきます。また、子どもの求めることになかなか反応しないような母子関係では、子どもは不安におびえてよく泣き、母親の反応を信頼できず、少しでも母親が離れると不安を示し、母親から離れて探索に出かけることもすくなくなります。成人してからは「他人は自分が望むほどには親しくしてくれない」「人に溶け込みたいが逃げられてしまう。」と考えています。

社会の変化とともに育児についての考え方が変わってきました。そのときの社会にはあっった育児法であったのかもしれません。しかし、その育児法で育てられた子どもにとっては必ずしも良いものではないことが分かります。ぜひたくさんの愛情で抱きしめてあげましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。