【専門家コラム】菅原道仁先生

さあ、みんな、立ち上がれ!座位時間と健康の密接な関係

みなさんは、座っている時間と立っている時間はどちらが長いでしょうか?
あるオーストラリアの研究によると
Chronic disease and sitting time in middle-aged Australian males: findings from the 45 and Up Study
Int J Behav Nutr Phys Act. 2013 Feb 8;10:20.
「座っている時間は4時間以下がオススメ」
とのこと。
研究結果によると、座っている時間が1日4時間以下の人は、毎日4時間以上座って過ごす人に比べて癌、糖尿病、心疾患、高血圧などの慢性疾患を有する率が大幅に低かったそうです。
「最近、運動不足だな・・・」
と感じている人たちは多いのではないでしょうか?
便利な現代社会においては、自分で意識しなければ、カラダを動かす機会が激減しています。ある調査によると、我々は40年前に比べて、40%程度の活動量しかないと言われています。
それでは、どうすればいいでしょうか?
多忙な皆さんは、運動をする時間を作ることが難しいので、生活の一部に運動を取り入れることがポイントです。例えば、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使う、バス停を一つ手前でおりる、ランチは社食ではなく歩いて10分の評判のお店に行く、なんていうのはどうでしょう。
また、最近、欧米のオフィスでは、座って仕事をする時間を減らし、立ちながら仕事をする人が増えているようです。たしかに、座りっぱなしは、論文にもあったように不健康になってしまいますので、いい方法だと思います。
立つことは座ることの2倍以上のカロリー消費が期待できますし、立ちながら会議をすれば、眠気も吹っ飛びます。立ち上がることは座っている時よりも、覚醒しますので、脳の働きも良くなることが期待できます。
もちろん、料理をすることも立位時間が長くなるので健康にはうってつけです。
 
さあ、今日から座る時間を短くして、自分の足で立ち上がってみてはいかがでしょうか?

脳神経外科医 菅原道仁

職   業 菅原脳神経外科クリニック院長 杏林大学医学部卒業後、クモ膜下出血や脳梗塞といった緊急の脳疾患を専門とし、国立国際医療センター、北原脳神経外科病院にて数多くの救急医療現場を経験。 外来診療は月に延べ1500人ほどを診察する時期もあったが、ひとりひとり責任をもって診察をするために2015年6月に八王子市内で小規模ながら大病院並みの検査機器を揃えたクリニックを開業。 「病気になる前にとりくむべき医療がある」との信条で、新しい健康管理方法である予想医学を研究・実践している。元・日本健康教育振興協会
保 有 資 格 脳神経外科専門医 体育協会公認スポーツドクター 抗加齢医学専門医
ブ ロ グ http://www.diamondblog.jp/official/michihito/
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