『エシカル』という言葉について

エシカルという言葉をご存知ですか?エシカルとは「倫理的な」「道徳的な」という意味です。
エシカルな考え方は、1989年イギリスで「倫理的な消費を広め、企業にエシカルな経営を働きかけることを目的」としてスタートしました。日本でも同じころ環境に配慮した消費を示す「エコマーク」制度が始まり、環境に負荷ができるだけ少ないものを選ぶ「グリーン購入」などが広まりました。環境問題だけでなく、貧困や差別、格差などの問題を世界的に取り組もうと、国連開発計画の総会の場で、「世界を変えるための17の目標」が採択され2030年までに解決しようと、加盟国が取り組んでおり、こういった背景からエシカルな動きが広まっています。
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そこで今回は、エシカルフードに注目してお話を進めていきますね。
あゆこさん①
私たちが普段食べる食材がどのようにして料理になるか想像したことはありますか?
例えば、今日食べる野菜は、誰かが育てて、それをドライバーさんが運搬し、スーパーなどの販売店に食材が並び、それを購入し、自分自身で作ったり作ってもらったりしたものが、最終的に口に運ばれ食事をしていますね。
その過程で、自然や動物が犠牲になっていたり、誰かが長時間のつらい労働をして健康を脅かされているかもしれないと思うと、少し居心地が悪く感じられませんか?世界では、小さな子どもたちが安い賃金で学校にも行けず、休みもとれず、農薬をたっぷり使った畑で作業し、その作業環境の悪さで命を落とすこともあります。スーパーで安売りされている輸入食品の裏にこのようなことが隠されていることもあるのです。確かに、買い物をする上で、「安い」ことは魅力的です。しかし、こういう背景があることも知っておきたい事実です。だからと言って、高いものを買うようにしようというわけではなく、毎日の買い物やちょっとした心がけで、買うものを選択してみませんか?作っている人や環境を思いやって暮らせると、私自身もそして世界中のみんなが居心地のよいものへ変わっていきます。この考え方がエシカルということで、この動きが広まっています。実は昔から日本人が大切にしてきたものであり、それが世界中で浸透しつつある考え方です。食べ物や作ってもらった人に感謝をして頂くという意味の「いただきます」もエシカルな言葉の1つです。食材そのものの命を頂く、食材の生産者や調理してくれた方への感謝を表し美味しく丸ごと頂くことも、毎日の食事でできるエシカルライフです。その他にも、どんな取り組みが出来るかご紹介します。そして「これならやれそう!取り入れてみよう」と思ったものから、無理せずスタートしてみませんか?

鮎子さん②
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フェアトレード品を取り入れる
フェアトレードとは「生産者が人間らしく暮らし、より良い暮らしを目指すため、正当な値段で作られたものを売り買いすること」です。コーヒーや紅茶、ハーブティー、ドライフルーツなどがあり、大手スーパーやコンビニなどでも取り扱うところが増えてきました。
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輸入品の野菜や果物より、地元や自宅近くで生産されたものを取り入れる
輸入品には、日持ちするために添加される防カビ剤や防腐剤の問題もあります。
あゆこさん③
無農薬や有機栽培の野菜を取り入れる
何と言っても、無農薬や有機栽培の野菜は美味しいですよね。一般的に八百屋さんやスーパーで販売されている野菜には、まだまだ農薬や化学肥料が使われているものが多く、環境に影響を及ぼしたり、残留農薬による健康問題などが考えられます。無農薬野菜、有機野菜などの栽培を行うのは、なかなか難しく農家さんの苦労は並大抵のものではありません。また生産者さんの健康も守り、環境へも配慮された農業です。そういう生産者さんたちを応援する意味でも、可能な限り無農薬・有機栽培の野菜を取り入れたいですね。
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買わないことも大切
買って応援することも大切ですが、問題のある商品を買わないことやそのときの一瞬の欲だけで買うのは止めてみませんか?
あゆこさん④
ぜひ買い物の際は、地球にも人にも優しい食事を心がけてみませんか。
食べるときも、一息置いて自分に問いかけて自分の身体の声に耳を傾けて食事することと一緒で、食材を買うときも一息置いて「なぜこれを買うの?」「本当に必要?」「どんな環境で作られたのだろう?」「これを買うことで、どんな影響がある?」と考えることから始めてみましょう。このように考えて買い物した食材は大切に食べ、廃棄したり腐らせて処分してしまうということもなくなると思います。

谷口亜友子

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