■血糖値の上昇を抑える食べ方とはどんなもの?
食べ物を食べると血糖値が上昇します。これは自然な流れですが問題なのは血糖値の急上昇と急降下が体に与える影響です。
★ダイエットをしたい
★アンチエイジングに効果的な食べ方をしたい
★気分の浮き沈みをなくしたい
これら、ひとつでも当てはまる方は是非ご覧ください。
食べ物が腸で吸収されると血糖値が上がります。
すると上がった血糖値を下げるために膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
食べる量が適量(尚且つ、血糖値の上昇の緩やかな食べ物)であれば食べた物は消化酵素により単糖類に分解され、肝臓・筋肉組織にグリコーゲンとして蓄積され、エネルギーとして使われます。
しかし、空腹状態からいきなりお菓子やパンや白飯などの糖質の食べ物を単体で摂ってしまうと血糖値は一気に上昇し、インスリンが必要以上に分泌されます。
(血糖値の上昇が緩やかであれば、通常インスリンは過剰に分泌されることはありません。)
多量にインスリンが分泌されると血糖値を下げる過程で血中の糖分を脂肪に変えて体に溜め込むように働きます。
(いつかのエネルギーとして中性脂肪になる)
そして、急上昇した血糖値は今度は急降下します。
この『血糖値の急変化』により食欲が増し、気分の浮き沈みが起こります。
また血糖値の変動が大きいことで活性酸素が大量に発生します。
活性酸素とは体のさびつき、つまり『老化』に繋がります。
■血糖値の急上昇・急降下が体に与える影響は?
① 脂肪を蓄えて中性脂肪となる → 太る
② 食べたのにまた食べたいという食欲の増進→太る
③ 気分の浮き沈みや、キレるといった攻撃的な精神状態
④ 活性酸素の増加による体のさびつき→老化
などが起こります。
■それでは血糖値の急上昇と急降下を抑えるにはどうしたらよいのでしょうか?
血糖値の急上昇・急降下を抑えるには最初はまず血糖値の上昇の穏やかなお野菜・きのこ類・海藻類(低GI値※1)から食べます。
これらのものは糖質が少なく、食物繊維が豊富なため糖質主体のお菓子やパンや白飯(高GI値)と比べ血糖値の上昇が緩やかです。
■さらに、朝のひと口目にも注目していきましょう。
朝目覚めると、日中の活動を司る交感神経が活発に働きます。
昼間の活動に必要なエネルギー補充のために、血糖値を上げていると考えられます。朝のひと口目に高GIの食べ物を食べると、食後の血糖値が急激に上がり、日中の血糖値も比較的高い状態になってしまいます。
反対に、低GI値の食べ物を食べると、昼食後の血糖値の上昇も抑えられ、更に摂取量までも減るという報告があります。※3
■もうひとつ注目すべきことは
たんぱく質・脂質・糖質の中で、血糖値を最も上昇させやすいのは糖質なのです。
脂質はカロリーが高いので敬遠されがちですが、実は消化に一番時間がかかるので、血糖値を最も上昇させにくいのです。
そして、糖質と一緒に油を摂ると血糖値の急上昇を抑えてくれる働きがあります。フランスパンにオリーブオイルをつけて食べる食べ方など血糖値の上昇をある程度抑える効果があります。
同様にお酢にも血糖値の上昇を抑える働きがあります。餃子にお酢をかけたり、酢飯なども同じ働きです。
もちろん、脂質やお酢を摂ったからといって糖質の摂り過ぎを無かったことに出来るわけではないので、適量摂取を心がけて下さい。
■以上のことをまとめると・・・
朝のひと口目や空腹時に糖質単体のご飯やパンや麺類や白砂糖のお菓子類をいきなり食べるのではなく、お野菜・きのこ類・海草類などのおかずを食べ、その後にたんぱく質源となる肉や魚、大豆製品を摂り、最後に主食となる白ご飯や玄米・麺・パンなどを食べます。油は良質なものを適量として下さい。
そして、ゆっくりと良く噛んで食べることも心がけてくださいね。
■良く噛むことにより以下の効果があります。
① 満腹中枢に働きかけ食べ過ぎを防止
② 自立神経を刺激し代謝を促進し、白色脂肪(※2)分解する
③ エネルギー代謝が高まり、体内の内臓脂肪が燃える
④ ストレス抑制
⑤ 消化が良くなる
⑥ 若返りホルモンが分泌される
このように体の仕組みを理解すると、コース料理の順番や『良く噛んで食べましょう』と昔から言われていることが、理にかなっていることがお分かり頂けると思います。
早速、今日のお食事からこれらのことを意識して、食べても太らない・キレイなヘルシーボディーを手に入れましょう。
※1 GI値
GI値(グリセミック・インデックスの略称)
食後血糖値の上昇度を示す指標
摂取した食品が体内で糖に変わり血糖値が上昇するスピードを計ったものです。
ブドウ糖を摂取した時の血糖値上昇率を100として相対的に表されています。
このGI値が低ければ低いほど血糖値の上昇が遅くなり、インスリンの分泌も抑えられます。
高GI食品・・精製された食品 白飯 食パン うどん 芋類 お菓子類 白砂糖
低GI値食品・・・野菜類、海藻類、果物
(GI値の高い果物は注意 パイナップル・スイカ・ぶどう・柿・メロン・バナナなど)
※2 白色脂肪
下腹部・お尻・太もも・背中・腕の上腕・内臓の周りの脂肪
※3 セカンドミール効果(GI値の提唱者であるジェンキンス博士が1982に発表した概念)