【専門家ナビ】菅原道仁先生

制限生活のすすめ

以前放送されていたテレビ朝日系列の番組「いきなり!黄金伝説」というのを見たことがある方はいらっしゃいますでしょうか?

http://www.tv-asahi.co.jp/densetsu/

この番組には「節約バトル1ヶ月1万円生活」「無人島0円生活」などの人気コーナーがあるのですが、これらは、芸能人たちに「え、コレで生活できるの??」というような制限をかけたのにもかかわらず、様々な工夫をこらし、それを視聴者が楽しむという構成になっています。この様々な工夫を発送することが「脳を使う」ということにほかなりません。なんでも不自由に手に入ってしまうと、脳は考えることをやまてしまうのですが、制限があると工夫をするために前頭葉を活動させます。そして、目的を達成すると、脳自身にご褒美の物質「ドーパミン」が出て脳力がアップするようになります。我々の脳には、腹側被蓋野からA10神経と言われる神経が、モノを考える前頭前葉や体を動かす運動野、感情の中枢扁桃核、記憶の中枢海馬、積極的な行動を促す側坐核といった脳力をアップさせるところに広がっていて、脳内麻薬と言われる「ドーパミン」を出すシステムをもっています。このシステムを活用させることが、脳力をアップさせるコツなのです。そのためには、便利な生活だけではなく、制限のある不便な生活をあえてすることが、脳力を発揮させることがときには必要なのです。

 

そこで、手軽にできる脳のトレーニング方法をお教えしましょう。

「残り物料理」

みなさんがやっている料理は手軽にできる脳トレの代表格です。料理をすることは、手を動かすことはもちろんのこと、匂いや味などの五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)をフルに使う作業だからです。この脳トレ効果をさらにアップさせるためには、好きな食材を好きなだけ買って作る料理ではなく、冷蔵庫の残り物で料理をつくてみたり、食材の値段を500円以下に設定してみたり、食材の産地を限定してみた料理にしたり、すこし制限をしてみましょう。そうすれば、「工夫」がさらに必要となり、前頭葉が活発に活動することでしょう。

「制限旅行」

旅行は楽しいし、気分もリフレッシュされるので、趣味としている方も多いと思います。家族や友達と行く旅行は、格別に楽しいものです。この旅行も、ちょっと制限をかけることによって、脳トレになるのです。

たとえば、旅費の上限をきめて旅行計画をたててみましょう。そうすれば、宿泊場所、食事、交通手段を工夫するようになり、結果として前頭葉を刺激することになるのです。そして、旅行から帰ってきたら、友達たちと旅行計画の共有をしてみましょう。そうすることによって、また、新たな気付きが手に入るはずです。

脳神経外科医 菅原道仁

職   業 菅原脳神経外科クリニック院長 杏林大学医学部卒業後、クモ膜下出血や脳梗塞といった緊急の脳疾患を専門とし、国立国際医療センター、北原脳神経外科病院にて数多くの救急医療現場を経験。 外来診療は月に延べ1500人ほどを診察する時期もあったが、ひとりひとり責任をもって診察をするために2015年6月に八王子市内で小規模ながら大病院並みの検査機器を揃えたクリニックを開業。 「病気になる前にとりくむべき医療がある」との信条で、新しい健康管理方法である予想医学を研究・実践している。元・日本健康教育振興協会
保 有 資 格 脳神経外科専門医 体育協会公認スポーツドクター 抗加齢医学専門医
ブ ロ グ http://www.diamondblog.jp/official/michihito/
得意ジャンル
趣   味

facebook