こんにちは。インナービューティープランナーの峰村咲子です。
若葉が目にも鮮やかな折から、すでに夏の気配すら感じられるこのごろ、
皆様いかがお過ごしでしょうか。
このごろはLINEやメールなど、連絡手段が本当に簡単になり世界問わず無料通話もできる時代となりましたね。そんな中、皆様はお手紙を書くことはありますでしょうか。そもそも『文字を書く』ということが日々の生活の中で減ってしまっている方も多いかと存じます。ですが、お手紙をいただくととても嬉しい気持ちになりますね。可愛い便箋もたくさんお店に並んでいますので、家族やお友達に普段の感謝の気持ちや何気ないことでも手紙に書いて送ってみませんか。本日は、基本の手紙の書き方についてお伝え致します。
【頭語(あたまご)】
一般的な手紙は頭語から始まります。
・拝啓(はいけい)…一般的な手紙・面識のない方へ送る場合
・謹啓(きんけい)…目上の方やお客様へ送る場合
・前略(ぜんりゃく)…親しい方へ・またはお詫びやお見舞いの場合
・拝復(はいふく)…お返事を書く場合
【時候(じこう)の挨拶】
頭語の次は時候の挨拶です。このコラムの冒頭に書いた文は5月の時候の挨拶ですね。
四季がある日本ならではの季節感を表現して、美しさを伝えましょう。
例えば来月の6月(水無月)でしたら、『初夏・梅雨・紫陽花・衣替え・山々の緑』などをその時々に応じて表現されると美しいかと思います。
・雨に濡れる紫陽花の花が美しい季節となりました。
・衣替えを迎え街はすっかり夏の装いに変わりましたが、つつがなくお過ごしのことと存じます。
・山々の緑も雨にうたれてより色濃くなりましたが、お元気でお過ごしでしょうか。
【結び(むすび)の挨拶】
最後の締めくくりの言葉は、お相手の健康や活躍などを祈る気持ちを伝えます。
何事も最後がとても大事ですので、丁寧に書きましょう。時候の言葉も添えると良いと思います。たとえば6月でしたら、
・梅雨明けが待ち遠しい今日この頃ですが、お身体ご自愛ください。
・天候不順のみぎり、どうぞお健やかにお過ごしください。
・梅雨寒(つゆざむ)の時節柄、風邪などお召しにならぬようくれぐれもご自愛下さい。
【結語(けつご)】
頭語で始まった文は結語で終わります。頭語と結語は組み合わせがあります。
・拝啓 → 敬具(けいぐ)
・謹啓 → 謹言(きんげん)
・前略 → 草々(そうそう)
・拝復 → 敬具(けいぐ)
また、女性が手紙を書く場合はどの頭語にも「かしこ」という結語が使えます。
ついでながら、暑さの厳しい夏に送る『暑中見舞い・残暑見舞い』を送る時期は、暑中見舞いは梅雨明けから立秋(8月初旬)、残暑見舞いは立秋から8月末までが一般的です。(諸説あります)
いかがでしたでしょうか。日本語は様々な表現に富んでおり、繊細で奥が深いですね。
相手のことを思いやる日本文化の美しさを感じ、お手紙を書きたい気持ちになっていただけましたら大変幸いに存じます。
そして、なにより一番大事なのは「伝えたい感謝の気持ち」。今回はこのように丁寧な書き方をお伝えしましたが、型にはまらずとも感謝の気持ちを伝える行動を起こすということが大切ですね。どんな手段でも良いので、いつもそばにいてくれるまわりの方々にありがとうの気持ちを伝えましょう。それが、毎日を後悔せずに生きるということだと思います。
青葉が美しい爽やかな季節、心身ともに晴れやかにお過ごしくださいませ。