みなさん、おはようございます。
インナービューティープランナーの右田和美です。
調理をしながら「なぜ?」と思うことはありませんか?
なぜこう切るのだろう?なぜこの工程をするのだろう?「なぜ?」を知っても急に腕が上がることはないかもしれませんが、これからの調理に役立つこともあるでしょう。調理には「こつ」というものに満ちています。今回は調理に役立ちそうな「こつ」をご紹介していきます。

◎切ることと包丁のこつ
切るということはそれだけで調理が完了するほど大切なことです。何年もの長い修業を必要としたりしますね。見た目だけではなく、味にも関係してきます。細胞がくずれるとべちゃっとするだけでなく、栄養も流れ出てしまいます。玉ねぎも力で切って細胞を潰すことなく包丁の力で切ると、涙は出ず辛みもない玉ねぎスライスができるそうです。
包丁は、下へ向かって押す力の一部を両側へ向かって材料を押し分ける力にかえることにより切ることができます。刃の角度が小さいほど、下へ押す力に対して両側へ押し分ける力が大きく働きます。うすい刃の包丁ほど、小さなちからで切ることができます。
刺身のようにやわらかく、切断面がなめらかなものを切るときは、切断面が刃に密着するので、そのまま押し下げると形がくずれます。これを防ぐには包丁を動かしながら押し下げていきます。包丁を押すよりも引きながら切るほうが、先のほうほど薄くなっているので、より少ない力で切れていきます。

一方、野菜は組織がしっかりしており、切断面はあらくなります。野菜を切るときは押し下げる力をしだいに強くしていく必要があります。そこで、魚とは反対に押して切っていくのです。それは、刃が厚いほうが下へ押す力が大きく働くからです。
包丁には両刃と片刃があり、両刃では両側に押し分ける力が働くので、ジャガイモなどを真ん中から二つに切るようなときは両刃が便利です。野菜は組織がしっかりしているので、葉切り包丁は一般に両刃のほうが切りやすいのです。これに対して刺身のように柔らかいものを端から切っていく場合は、残った部分に圧力が加わらない片刃の方がよいわけです。
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◎千切り野菜のこつ
野菜は切ってそのままにしておくと、切り口からこの水分が蒸発したり流れ出したりして、野菜特有の歯切れの良さが失われてしまいます。そこで、千切りの野菜を生食するときには切った後で水につけます。
野菜を水につけると、細胞内の濃度の方が高いので、外の水分が細胞の中へ入り込んでいきますが、内部の物質は、すぐには外へでることができません。外の水が中へ入り込む一方なので、細胞がふくらんで、組織全体が緊張した状態になり、歯切れがよくなるのです。なお、長時間になり、吸水が限界にくると、逆に組織の中から水の方へ栄養素が溶け出すので、水につけるのは短時間にしましょう。

加熱や味付けなど、食材に手を加える前のこつについてご紹介しました。味付け、加熱だけではなく、ほんの少し食材の扱い方に気をつけるだけで驚くほど料理の腕が上がります。こつを知れば意識するようになり、粗末に扱うことが無くなる為丁寧に料理ができるようになることも料理の腕を上げてくれるひとつになると思います。ぜひ、こつを意識して、食材を感じながら丁寧にお料理をしてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
