家庭菜園について

みなさん。こんにちは。インナービューティープランナーの右田和美です。

みなさんは家庭菜園などしていますか?野菜を育てようとした時、まず種を買いに行くと思います。ホームセンターなどでもたくさん種が販売されていますよね。すぐに手に入れることができます。しかし、私たちが簡単に手を伸ばせる種は人にとって都合よく作られたものばかりです。販売されている種だけではなく、スーパーに並んでいる野菜も、人によって都合よく作られた種から育った野菜なのです。本日は種について紹介します。

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種には『固定種』と『F1種』というものがあります。

・固定種

1960年頃まで主流で、味や形などの形質が固定され、品種として独立していると認められる種です。固定するということは、一つの性質の遺伝を固定して同じ子種がうまれるようにすることです。一代だけではなく自家採種をしてまた育てることができます。種を採る株を選抜し、何年もかけて自家採種をすることでその土地に合った野菜に進化していきました。自家採種をして土地に合った野菜を育てられるということは、有機無農薬栽培や無肥料栽培の畑にも向いているということでもあり、生命本来の無限の可能性を秘めた種なのです。

・F1種

高度成長期以降主流となっている種です。雑種強勢という植物の持っている性質を利用して異なる形質の植物を掛け合わせ、一代限りの優秀さを求めた種です。一代限りというのは種を採っても親と同じ野菜はできず、姿形がめちゃくちゃになってしまうからです。雑種の一代目は両親の優性形質だけが表れるため、一代目は見た目がそろいます。しかし、一代目だけなので自家採種をしてまた育てることができないので、毎年高い種を買わなければなりません。雑種強勢という力が働いて生育が早まったり収穫量が増大します。大量生産、大量消費社会で工業製品のように均質であるべきとの動きからF1種に変わっていきました。どれも規格通り揃っていて、同じ価格で売りやすいといった人にとって都合が良いように作られています。

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今日は野菜そのものの味ではなく、いかに収益をあげていくのかが重要視される時代です。固定種は固定されたと言っても一粒一粒多様性を持っているので、大きさ重さが揃わず、生育速度が異なるため一斉に収穫できないので大量消費には向きません。

IMG_5864畑を何度も回転させ、収益をあげるプロの農家さんにとっては使いにくいものです。同じ価格で販売するのに大きさにばらつきがあるとクレームになってしまいます。だからといって、重さを量りながら値付けをして売る方法は現在の流通には向きません。その為固定種は自家消費に回っていきました。固定種で作られたとしてもばらつきがでてくるので、市場では規格に合わないものは廃棄されてしまうことになるでしょう。固定種はF1種に比べ味は良いにもかかわらず、固定種の多様性、個性は販売する際には邪魔だと考えられてしまうのです。外食産業からは「味付けは我々がやるから、味のない野菜を作ってくれ。またごみがでず、菌体量の少ない野菜を供給してくれ。」という要望があるそうです。

IMG_5866その結果、どんどん味気が無くなり、機械調理に適した外観ばかりの整った食材に変化していっています。もちろん、商売をして収益を上げていかなくてはなりません。しかし、食べるという行為は私たちの体をつくっていくことであり、生命を維持するためには欠かせないことです。そのことは考えられず、商売をすることにとって最適になるように品種改良されている種の現状に疑問を感じずにはいられません。『一粒万倍』健康な一粒の種はとても大きな生命力を秘めています。このような食材から私たちの力にしていきたいですね。農薬の有無や栽培方法に目を向けがちですが、そもそもの野菜がどのようなものなのか向き合っていけたらいいなと思います。

本日は種のお話をさせていただきました。最後までお読み頂き、ありがとうございました。

右田和美

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