仕事人間はボケる!?
私たちの国・日本は、戦後、高度成長期を経て、とてつもなく物質的に豊かな国になりました。私の父、祖父、ひいおじいちゃんの世代が勤勉さを発揮して死に物狂いで働いてくれたおかげだと思っています。この日本の戦後を必死になって立てなおしてくれたことに対しては、我々世代、そして、その下の世代は感謝しなければなりません。家庭をかえりみず、自己犠牲の精神のもと経済成長を支えてくれました。一日で、8時間労働、残業は当然するでしょうから、12時間以上も会社で仕事をしていたこともあるでしょう。
しかし、仕事を引退したとたん、会社にいた時間が余ってしまう。家にいてもすることがない。奥様は奥様で、旦那さんが働いていたその時間で友達を作っているので、昼は旦那さんが一人ぼっち。奥さんの本心は、「亭主元気で留守がいい」。たまにお盆やお正月に私が実家に帰ると、母親は「お父さんを連れて、どっか出かけてくれ」と懇願します。
また、面白いデータがあります。妻が夫より先に亡くなると、夫は後追いで亡くなることが多いのですが、逆に夫が妻より先に亡くなると、妻はなんと長生きするというのです。税理士法人レガシィによると、夫が亡くなったあと残された妻が亡くなるまでの期間と、妻が先に亡くなって残された夫が亡くなるまでの期間では、夫が残された場合で10.3年、妻が残された場合で16.5年と、6.2年の差があることを公表しました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000009990.html
これは、男性はいかに女性に依存しているかということであり、いかに女性にとって男性はストレスになっているかということなのでしょう。話は少しずれましたが、仕事ばかりに打ち込んでしまうと、引退してからの人生が一人ぼっちになってしまう可能性があり、脳の力が低下していくということになります。
そうならないためにはどうしたらいいでしょうか。それには、「コミュニケーション」が重要です。たとえば、継続できる趣味をもったり、旧友と連絡をとったり、子供さんのところへ遊びに行きましょう。仕事に打ち込んでいるのと並行して趣味に打ち込んでいる人、ゴルフだったり登山だったり、は元気な方が多いのは紛れもない事実です。我々は、他人から認められたり、他人が喜んでくれたりすると一番嬉しいものです。そのとき、我々の脳では「ミラーニューロン」が活動するのです。このミラーニューロンは、相手に対する思いやりや,心づかいを醸成し、さらにコミュニケーション能力を向上させてくれます。ですから、今のうちから、仕事以外の趣味をもって、いろいろな人達とコミュニケーションを積極的に取るようにしましょう。友達が近くにいらっしゃらない場合は、インターネットを利用して、遠くにいる知り合いや子ども・孫たちと交流するのも効果的です。ぜひ、パソコンやスマホを積極的に活用してみましょう。