皆様こんにちは!北海道は雪景色、つるつる路面を歩くのは一苦労ですが子供はテンション上がっています(^^最近、お野菜高いですね~北海道だけなのかな…。
さて、今回はアレルギーについてです。腸内環境を整えることがアレルギーにも良いという話は皆様聞いたことがあると思います。「アレルギーの9割は腸で治る!」(藤田紘一郎)、興味がある方は読んでみてください。私がお伝えしようかなと思ったのはアレルギー検査のお話と遅延型アレルギーのお話です。ではお付き合い下さい(^^♪
【アレルギー検査の話】
なぜこの話をしようかなと思ったかというと、以前IBDの講座で「検査をしたら○○も△△も□□も食べられないことがわかって…」と言っている方がいて。検査をして色々結果がでると心配ですよね。でも正しい知識がないと色々な選択肢を狭めてしまうかもしれません。
食物アレルギーの多くは即時反応といって、原因と思われる物を食べた数分から2時間以内に主に皮膚粘膜症状が、重症例では呼吸器・消化器・循環器症状が出現します。病院ではしっかりと問診したうえで疑わしい原因食物を血液検査や皮膚テストを実施し診断を進めます。ただ、外来をしているとたまに、「何かアレルギーがあるかもしれないからざっとアレルギー検査をしてください」と言って受診される方がいるのです。
検査については疑われる原因食物についての経口負荷試験を行わない限り正確な診断はわかりません。アレルギーの原因を推定したり、経口食物負荷試験を実施する時期を決める判断材料にしかならないのです。血液検査に関して言うと、陰性だとその食物を摂取した時にアレルギーが出る可能性は低い傾向にありますが、陽性の時にアレルギー症状が出るとは言いにくい検査なのです。いずれにしれも陽性でも陰性でも検査結果と症状が必ずしも相関するとは限りません。そして症状がでた場合の重症度も予測できませんし、症状がでるまでどれだけ食事ができるかの閾値もわかりません。
むやみに食物アレルギーのセット検査をすることは不正確に食物アレルギーの診断をしてしまうことにつながってしまいます。
【遅延型アレルギー】
何年か前に話題になった遅延型アレルギー、皆様はご存知ですか?日々の様々な不調の原因が実は食物アレルギーかもしれない!という話です。例えば集中力の低下、PMS、慢性疲労、喘息や不整脈まであらゆる症状が食物アレルギーに関連しているというのです。遅延型なので症状が出るのは2-72時間後。医学部で習った遅延型アレルギーと随分違うと当時は驚いた記憶があります。
結論からいうと日本アレルギー学会や米国アレルギー・喘息・免疫学会では診断的有用性が否定されており、診断法としては推奨されていません。ただ一般のクリニックによっては、1回数万円の検査を「遅延型の食物アレルギーが原因かもしれません」と勧めてくることもあるので要注意です。正しい知識を持って対処しましょう。
【おわりに】
食物アレルギーではありませんが、精神症状や疲労、アレルギーが腸内環境に関連していることを皆様は知っています。食べ物を除去するのではなく、腸にいい食べ方をすることで様々な不調に対応できるという武器を持っている私達は強い!と心から思います。
アレルギーは死に至ることもある怖い病気であることも確かです。ただ、一般的な即時反応のアレルギーはやはり子供の頃からの生活でご本人が一番体感されて分かっていることと思います。人間の内面の多様性は、食べる物の多様性からも作り出されると思います。もし必要のなかったアレルギー検査の結果に苦しんでいる方が周りにいたら、そっと教えてもらえれば幸いです。
そういえば先日わが子のアレルギー検査をしました(笑)。上の子は卵アレルギーで全身ボコボコになってしまったのですが、下の子もアトピーっぽい皮膚をしていて。結果は卵とミルクでかなりの高値(ついでに大豆と小麦も少し)。どうりで粉ミルクで湿疹が出ると思いました!お子様で疑わしい時はアレルギー専門の先生に相談するといいと思います。IBPの先輩方には食事でお子様のアレルギーを治した方もいて、心強いです(^^)ではまた!