みなさんこんにちは(^^北海道はすっかり冬です。寒がりの私にとっては試練の時…。おしゃれは我慢、という言葉は昔々に自分の辞書から抹消したので雪だるまのように過ごしたいと思います♪
さて今回は摂食障害についてです。この病気、男性もなりますが女性が圧倒的に多いです。食に関わる私達も悩みを相談されることもあるかもしれません。このコラムが少しでも何かの力になれたら嬉しいです。
摂食障害…多いです。ダイエットブームの今、予備軍も沢山いて何をもって発症とするか議論を要するところです。かくいう私も経験者。読んでくださっている方の中にも経験された方がいるかもしれません。とっても苦しいです。自分の大切な人に同じ思いをさせたくない、と強く思います。食べて美しくなる、IBDを皆様が発信することは多くの女性の救いになるはずです。
摂食障害の定義、分類
摂食障害には色々なタイプがあります。2013年の最新の分類では、①異食症 ②反芻症 ③回避・制限性食物摂取症 ➃神経性やせ症 ⑤神経性過食症 ⑥過食性障害 ⑦他の特定される食行動障害または摂食障害 ⑧特定不能の食行動障害または摂食障害 と分けられています。今回は一般的によく知られている神経性やせ症について話します。神経性やせ症の中にもタイプがあって、摂食制限型(食べない)、過食・排出型(食べて吐く)があります。診断基準があるのですが、長くなるので割愛します。「必要量と比べてカロリー摂取を制限し、年齢、性別、成長曲線、身体的健康状態に対する有意に低い体重に至る」「体重が不足している場合でも体重が増えることや肥満することに対する強い恐怖」などがあります。
疫学、発症のメカニズム
90%が思春期~青年期に発症しますが、年々発症年齢があがっています。出産を契機に発症する方や、主婦層の発症も増えています。発症メカニズムは未だ解明されていないことも多いですが、本人の性格、遺伝的・生物学的要因、心理的要因、家族要因など複合要因がからみあっています。
症状
大きく精神症状、行動異常、身体症状があります。
精神症状:やせ願望、肥満恐怖、身体像の障害、病識の消失、抑うつ、不安
行動異常:腐食、摂食制限、隠れ食い、盗み食い、過食、嘔吐、下剤の乱用、過活動
身体症状:低体重、無月経、低体温
低体重が進むと、食や体重に関する支配観念にとらわれるため友達ができなくて困る、勉強に集中できないといったことも起きます。過食型では多量に食品を買い込むので万引きにつながることも多く社会的にも問題視されています。もちろん身体的にも危険な病気で亡くなることも多いです。抑うつからの自殺や、免疫力の低下のため感染症により亡くなることもあります。
脳科学的に
摂食障害の方においては、正常では精神の安定に役立っているセロトニン神経の受容体に異常があり、セロトニンによって逆に不安が生じやすくなっています。つまり食事制限によってセロトニンの材料であるトリプトファン、ひいてはセロトニンが枯渇すると安心するのです。また、喜びの感覚に関係するドパミン神経にも異常があります。食事を摂取すると健常者ではドパミンの放出が増え満足感を得ますが、摂食障害の方は不安になるため食事摂取を回避するようになります。 恐怖などの感情を生じる偏桃体の活動が食物刺激に対してだけ亢進しているという特徴もあります。
どんな人がなりやすいか
摂食障害は様々な人に様々な状況で生じることがわかっており、一概に「この病気になるのはこのような人」ということはできませんが、多少の傾向はあります。極端に単純化すると、感情表出が苦手で通常は周囲に配慮して合わせるものの、ときに頑固で完璧主義の方が多いです。自分があまり好きになれず自分に自信がない状況で、ダイエットや体調不良からたまたま体重減少した時に達成感や安心感を覚え、そこから発症したりします。美しさを求めている感情ではなく、食事を制限することによって体重を減少させることができたという達成感、自分自身をコントロールできているという安心感と自己効力感(自分が主体的に行動できているのだという感覚)があります。そのため体重が増加すれば自分自身がコントロール不能になる恐怖感を伴うのです。このように摂食障害の中核にはコントロール欲求があります。そして食事制限というコントロール欲求が破綻すればその反動として過食への衝動性が現れます。ここに書いたこと、私はそうでした~(笑)完璧主義だし体重が減れば認めてもらえる、自分も安心できると思っていましたね(^^摂食制限の次は過食期が続きそれも辛かったです。
一般的な治療法は
薬物療法だけだと上手くいかず、生活改善や心理的アプローチを要します。重症の方は精神科医、臨床心理士、精神保健福祉士、家族会などでしっかりとしたサポートを得られる専門機関の受診が薦められます。しかし日本にはそういった機関や治療者が少ないため勇気をだして病院を受診しても十分に対応してもらえず慢性化してしまう方も多いです。
予防
発症の一因として正しい栄養の教育がなされていないことがあります。思春期~青年期に正しい知識に触れることはかなりの予防になります。また低栄養が長年続くと、本人が重篤な身体状態であることが感じられなくなっています。そこで自分の身体感覚に敏感になろう、自分の状態を自分で気づいていけるようにしようという目的でヨガも予防にいいとされています。
近くにいたらできることは
早期発見、早期治療するほど回復が見込まれます。家族、周囲の人、学校が気づくことは重要です。本人は病識がなかったり、病気を認めたくないことが多いので医療機関にどうやって繋げるかは課題です。家族は苦しい山を一緒に越えなければならないですが、家族が正しい知識を持っていれば治療の大きな力になります。本人はとても苦しんで頑張っているので、無理やり食べさせようとするのではなく、食事以外の楽しみを共有して一緒に沢山笑って下さい。
私たちにできること
摂食障害患者の特徴として、自己評価への過敏さ、自己肯定感の低さ、周囲に認められたいという感情があります。IBDは体の中から美しく、自分を愛することができるようになる食事です。皆様から食事は楽しいもの、心も身体も美しくなれる、自分を好きになる一番の手段なのだということを伝えていって下さい。そしてこれからお母さんになる方、今お子様がいる方、どうかこの世に命を授かった大切なお子様をまるごと愛して下さい。容姿や何ができるという能力ではなく、あなたの存在自体が素晴らしく尊いものなんだよ、あなたをまるごと愛しているよ、ということを沢山触れながら沢山伝えて下さい。きっと心の根っこが育ち自分のことを大好きと思えるようになるはずです。例えこのような病気になっても立ち上がれる底力ができるはずです。
複雑な病気なのでこのコラムで書いたのはほんの一部です。お悩み、相談何かありましたら個人的に気軽にご連絡下さい。主人は精神科なので一応経験もある方だと思います。何かお力になれたら嬉しいです。さて4歳児とベビーの冬服を見にいこうと思います♪子供服、見ているだけで可愛いですよね~皆様また2ヶ月後よろしくお願いします!